2011年5月16日月曜日

再び雉に出会う


 雲一つない真っ青な空の下、前方に八ヶ岳連峰を見つつ、後方に富士山、そして左にそびえる南アルプスというロケーションの中、私はまた2匹の犬に引っ張られるように朝の散歩に出ました。
 ゴールデンウィークも過ぎ、山をおとずれる人も大分減って来て、誰にも会わずに散歩して自然を満喫していると、前方に雉の姿が見えて道を横切ります。ああ、今年も雉に出会えたとうれしくなりました、きれいなオスの雉です。あちらこちらで鳴き声が聞こえてきます。昨日は家人が犬を連れての散歩中に、鹿の団体に出会ったそうです。動物たちが活動するこの季節ならではのことでしょう。
 先週に来て以来、少しの時間しか経たないのに景色はかなり進んでいます。玄関前のライラックは白い莟を付けていますし、フラミンゴの木も若葉が出始めて、落葉松はすっかり芽吹いて枝の先は若緑です。ユキヤナギはこぼれるほどに白い花をたわわにつけ、大きく広がりのびのびと、タンポポは数が増えてにぎやかに、そしてスミレも可憐に咲いていて、先週よりずっと大地もにぎやかになってきました。私は丹念に庭の様子を観察します。ヤマシャクヤクに莟が見えています。もうじきチゴユリも咲きそうで、これは群生しています。
 芽生えるということはなんて素敵なことでしょうか。小さな発見が山ほどあります。都会にいると、自然界のことに気づくことはとてもおおざっぱな感じとなり、感覚も鈍くなります。知らないうちに鈍感になることが最も私の恐れていることです。

 五感が敏感に反応できるようにといつも心がけています。忙しいと目先のことばかりに追われてしまい、自分さえ見失ってしまうので、いつも新鮮な空気を自分の体内に送り込む風が必要です。よい風をいつも身に受けていたいと、年齢が重なっていくほどに望んでいる毎日です。