2015年6月9日火曜日

梅雨を迎えて




5月末の1週間は浴衣展の毎日で、予想以上のお客様が見えられて毎晩遅くまで賑わい盛況の内に終えました。
その直後には恒例の「夏のあらた会」と「今昔の会」が昨日まであったので全ての夏前の会を終了したら、とたんに東京は梅雨入りになりました。
会期中はずっとお天気に恵まれていましたのがありがたかったです。

夏の着物は最近では呉服屋さんも、あまり熱心ではないのが現状なのですが、私たちは工房ですから四季折々には新作を作る使命が有ります。
毎年その年にあわせて創る作品はその年によってもテーマも少しづつ代わり作りたい生地もモチーフもまた微妙に変化し続けて一年間の季節の節目を越えつつもまた新しく創作に取り組めるのは嬉しいことです。

何年経っても、何回も同じ季節を迎えようと、その都度感じる気持ちは同じではないのが不思議ですがそれだから、やって行けるのだと思っています。
梅雨に入り雨に濡れる草や木は生き生きと緑が冴え、きれいですから6月は雨に濡れた木々や紫陽花をを楽しむ月です。
先日、大きな鉢を動かしたら、その下から大きなガマガエルが遅い冬眠から冷めたようにのそのそと這い出てきました。

「あら、起こしちゃってごめんね」と思わず言いましたが、じょうろの水をシャワーのようにかけて長い眠りから冷めた土を落としてやりましたが、迷惑だったかもしれません。そのうちどこかに行ってしまいましたが、紫陽花の下にでも潜ったかもしれません。
こんな都会でも気をつけて目を凝らせば季節の移ろいが感じられるものです。梅雨の間は少しのんびりと出来るかもしれませんので、これから夏に向かう季節の自然を楽しみ今年の秋への創作に向けて山のアトリエで充電したいと思っています。山紫陽花や、小紫陽花も山では咲き始めていることでしょう。