2012年12月12日水曜日

八つ手の実


12月も間もなく半月が過ぎようとしています。今年最後の展示会である「樅の会」も終盤を迎えようとしています。
 暮れの忙しいこの時期に訪れて下さる皆様には感謝です。いよいよコートの季節なので道行や道中着にも関心があるようです。
 北国では毎日雪が降り続いている様子が放映されていますが、東京も朝と夜はかなりの冷え込みで着物を着ていますと足下の暖かみがじんわりと伝わり冬らしくなった事を感じさせます。
  もうクリスマスツリーを飾る事もなくなりましたが大昔は家族が喜ぶので毎年夢中になってツリーの飾り付けをしました。
 キャンディを一個づつ色の付いたセロファンに包みレイを長くして幾重にも樅の木にかけて子供らを楽しませた事等を思い出しますす。今となってはクリスマスの絵本の一ページのように記憶の中にあります。どれも楽しい思い出に満ちています。

 毎年「樅の会」では私もちょっぴり童心に返って少し浮き浮きした気分に浸ります。庭のヤツデの花が裂きました。白い実を付けた花が放射状に咲きます。それはまるで雪の結晶のようでもあり今年はしみじみと見ました。この白いヤツデの実は幼い頃に冬の日だまりで遊んだおままごとの遊び相手でした。
 お茶碗に入れてご飯と称して弟妹にふるまっていた自分を思い出しました。冬の事であり花も葉も散り何もなくなったころだったので格好の遊び相手となったのでしょう。何十年振りかでそんな事を思い出してしまいました。この歳になってから、はじめて雪の結晶のようだと感じました。

 今年のクリスマスは東京でも雪のホワイトクリスマスになるかもしれないとの事ですが本当でしょうか、嬉しいような困るような気分がします。大人になるとつまらないものです。でも、やはりホワイトクリスマスなら素敵ですね。