2013年11月30日土曜日

12月のスタートは「樅の会」から



 11月に別れを告げる日となりました。明日からは初冬と呼ぶのでしょう。そして今年最後、あらた工房での展示会が12月1日から8日までの期間スタートします。
 秋から冬へと師走に入る心の準備をしています。菊もすっかり残菊となり香りも立たなくなってきました。
 昨夜は学士会館で会食会があり夜に出ましたが、襟元にすーすーと冷たい風が首筋をなぜて行きました。
 工房内にも師走から新春にむけての作品を展示し始めました。加えてコートも種々並びました。もうコート無しでは出歩けません。


先週末には山のアトリエもすっかり冬支度となり、これから半年ほどの眠りにつくのです。すっかり落ちた落葉松の葉がベランダに深く積もりお掃除をするのも大変でした。落ち葉も重なれば重くて何度も掃いては捨てたので腕が痛くなるほどです。
 冬の間に山から鹿が下りて来て庭の木の樹皮をたべなければいいなと思いつつしばしの間山のアトリエともさよならをして来たのでした。

  そして東京の仕事場では、既に来春のことを考えて心は桜に向かい春の景色を想い描いています。 12月のはじめは秋と冬とが入れ替わる大事な時でもありますがまだ気忙しくなる前なので、皆さんに立ち寄って頂いてお茶でも飲みながら今年を振り返ったり来年への希望や楽しみを語らったりする1週間になって欲しいと思っています。そして今年1年の無事を共に喜び来年も元気で過ごせれば良いと願うのです。
  年毎に1年間を過ごすのは驚くほど早く過ぎて行きますが、また1年という重みもより貴重に大事になって来るのも事実です。


 折から来年用の年賀の手ぬぐいが出来上がって来ました。いつものように臙脂色ですが干支である午は今年は図柄は横使いでメリーゴーランドの柄です。
 来年も楽しく、くるくると回る想いを託してます。さてクリスマスまで当分は街のイルミネーションを楽しむことに致しましょう。

2013年11月14日木曜日

目黒雅叙園にて「美しいキモノ」創刊60周年記念作品展



 11月13日には目黒雅叙園にて「美しいキモノ」(ハースト婦人画報社)の創刊60周年記念の記念作品展があり、あらた工房の訪問着も展示されていました。
 そのキモノを見がてら雅叙園でランチ会をということになり、16名の方が集まり、楽しく着物を見たり食事をしたりしながら晩秋の午後を過ごしました。



  長いもので着物雑誌「美しいキモノ」と関わってから35年以上も何時の間にか経ってしまいました。
 その間、日本の女性も大いに変化しましたが時代も大きくうねるように変わりファッションとしての着物、着る側からの着物の存在も大きな変化をもたらしました。




 着物を作り始めたのは、まさに前回の東京オリンピックが始まろうとしていた頃ですから、はや半世紀も経ったと言う事でしょう。
 大きく女性が変わったのは着物は誰かに作ってもらう、買ってもらうという受け身から、自分の目で選び求めると言う事でしょうか、これはすなわち女性の自立ということなのでしょう。

 今回、60周年記念作品にあたり染めた緑色の薔薇の訪問着は、そんなこれからの女性たちにエールを贈るつもりで染めました。けっしておとなしい着物ではありませんが、あえて自らの足で立つ女性を薔薇にたとえて作ってみました。機会があればご覧下さい。
 これからも今この時代を生きる女性に向けての着物づくりを心がけて行くつもりです。私の心のおもむくままに。応援して下さる多くの方に励まされる幸せを感じているこの頃です。

2013年11月1日金曜日

想いをあらたに



 いよいよ11月も始まりました。10月に到来した数ある台風も去り、紅葉もたけなわでこの連休には多くの人が紅葉狩りに出かける事でしょう。

 工房は31日までの着物新作展「秋のあらた会」が終わり、天候不順な中をいらして下さったお客様に感謝を致しております。ありがとうございました。

 私も今晩から山のアトリエに行き晩秋の景色を眺めてゆっくりしてきます。お酉様も今年は三の酉まであるようで作晩久しぶりに外出して気が付きました。
 この幟をみると11月だという事が実感されます。既に今日からは初冬といえる季節なのでしょう。

  そして、長いこと玄関前にあった工房の看板が28年を経て、だいぶ傷んでましたので、造形作家の深澤 義一さんにお願いして特注で新しく創り直して頂きました。

深沢さんの工房のホームページです。
  鍛冶屋 アトリエ ベガ

 銅板で囲まれ味わいのある渋い感じです。老舗のようなたたずまいで、満足ゆく仕上がりとなりました。
 これからの経年変化で緑青がふき、ますます味わいが出てくるそうです。
 前と大きく違うのは中からの照明がLEDになったことで、これから、夜も明るくあらた工房の名を照らしていることです。

新しくなった看板はまだまだ頑張って仕事を続けなくてはならないと工房の今後を想う決意の表れでもあります。
 そう言うと少し大げさかも知れませんが、この辺で意思表明をして、自分にも気合いを入れないとなりません。

 看板を作り替えたことは、毎日毎日をフレッシュな気持で過ごす私の信条である「日々これあらたなり」という自分の心に掲げた旗を、自分の為に振り続けてて、これからもやって行こうと思う証です。平成26年から先に向かっての記念の碑でもあります。

 秋晴れの陽差しの中、思いをあらたにする11月のスタートが始まりました。菊の大鉢が満開で11月の香を放っています。