2011年11月29日火曜日

晩秋の街


 11月も終わりになり師走に手が届く頃となってしまいました.穏やかな11月でした。都会では今が晩秋なのでしょう。紅葉が綺麗で街中でも去りゆく秋の景色があちらこちらで見られます。黄色に紅葉した銀杏の並木、すっかり葉を赤く染めた桜の木々、やっと赤くなったドウダンツツジの植え込み、その隅に咲く小菊、街中でもそぞろ歩くと晩秋の景色が見られて師走に入る前のひとときを楽しめます。
冷たい風さえ吹かなければ11月の散歩もなかなかの物です。

 東京と八ヶ岳を往復している生活が続いています。
工房の改修工事が大幅に遅れたため体調がおかしくならないようにとても気を付けています。
少々疲れも出て来ましたので先日は通っている整体のところで酸素カプセルをすすめられて2度ほど試してみる事にしました。
まだ効果はよく分かりませんが良いと言われたことは何でも試して、なんとかこの変則的な生活を乗り切らないとなりません。何でも酸素カプセルに30分入っていると2倍から3倍の睡眠時間に等しいそうです。信じるしかありませんが気分だけはアスリートになった気がします。思わぬ体験をしています。
 気分も変えるためになるべく散歩もします。都会にも見られる小さな自然でも少しは癒されます。
街にイルミネーションが賑やかになりクリスマスムードが高まる前のほんのひとときでも季節の移り変わりを感じて歩きたいと思うのです。


2011年11月21日月曜日

メリーゴーランド


 すでに紅葉も終わり裸木の目立つ山の景色は初冬に入った感があり、黄色かった山々も茶色味を帯びて常緑の木々だけが緑色でこれから迎える冬の雪をじっと待っている様子です。
11月の山にしては暖かい高原の駅、清里の周辺を訪れる機会がありました。
 かつて一世を風靡したアンノン族が闊歩して原宿の竹下通りのように賑わっていた清里は今は見る影もなく寂れて俗悪な店の看板もそのまま朽ちています。まるでゴーストタウンのようで、一時はタレントの名を冠したお店も多くありましたが今はそれもなくなり人影も見えません。
 今の若い方にアンアンとかノンノンとかの雑誌があって毎号のようにこの地を盛り上げていた時代があったのよと言ってもピンとは来ないでしょう。もうかなり昔になって知る人もあまりいないし、あの頃の読者たちはすでに60歳代から70歳ぐらいでしょう。
 当時はペンションとテニスも大流行でテニスコート付きのぺンションに脱サラした方たちが夢溢れるペンションを作り若者や若いファミリーを呼び込んで大賑わいだった時代でした。

 その後、海外旅行に安く行けるようになったり、テニスブームも去ると急速に憧れのペンションも衰退して人々の好みも価値観も多様化となり今はペンションもオーナーたちの高齢化で次々と閉めて、後をする人もいないようです。いくつもあったこのあたりのペンションも経営をやめてひっそりと戸締めです。
 高原のリゾート地、清里の様変わりは昔に比べれば寂しい限りですから私もなるべく隣の駅の清里には立ち寄らないようにしていました。
でも駅から少し離れた一角では新しい観光地としての試みもあり、大人が耐えられるお店や施設が最近出来て来ました。その中で少し林の中に入って行くと、こんなところに何故というようにメリーゴーランドが設置されています。かなり前からだそうですが私は全く知りませんでした。

メリーゴーランドは音楽につれて装飾された馬が何頭も上がったり下がったりして、ぐるぐるとまわるのですが、その乗り心地は何だか嬉しくて綺麗に装飾された作り物の馬も楽しくて私は大好きです。夢の世界に遊ぶ気分です。
 昔、回転木馬というミュージカル映画があり、その映画がとても好きで、美しい歌や星を磨く主人公ビリーやその妻を演じた女優さんに憧れたのは私が10代前半ぐらいだったでしょうか。また観てみたいなと思っています。

 そんな憧れの回転木馬の馬がどういうわけか林の中にひとつだけ置いてあるのを見つけました。華やかに音楽と共にぐるぐるとまわっていた木馬に木立の中から初冬の風が吹き付けます。かつて賑やかだった清里と今の清里を重ね合わせると、もの悲しくも甘いセンチな風情を感じさせます。時代は流れて行くのだと想う光景でした。まだ山では今年は雪に遭っていません。まもなくクリスマス、心躍る美しい灯が楽しさと切なさをかきたててくれることでしょう。

2011年11月14日月曜日

酉の市に行く


 ずいぶんと久しぶりに、北野神社の酉の市に日も暮れかかる頃に行ってきました。

 昔は年毎に少しずつ熊手を大きくしていったものですが、何時の頃やら飾るには大きくなってしまったのでやめてしまいました。
 今年は震災やら我が家にも大きな変化がありましたので、ふっとまた思い出して一番小さいのから原点に戻って買ってみようかと、それは可愛らしいかき熊手を神社で求めて見ました。

 巫女さんの格好をした二人の若い女性が屈託ない笑顔で当たり玉をくれて舞台に描かれてある宝船の真ん中に当てて下さいと言いました。
 残念なことに少しそれてしまい、「惜しーい」と言われてしまいました。きっとアルバイトなのでしょうがのびのびとして仕事を楽しんでいるようです。


 以前に比べれば何て人の出が少ないのだろうと、思われました。一般の家庭では大きな熊手など買うはずもなくて、お商売やさんぐらいが求めるのでしょうがこのところの景気の悪さが影響しているのでしょう。
 かつては、ひとつ売れる度に景気よく大きな声で手締めをする光景があちこちで見られたのですが今でもそうなのでしょうか。
 先ほどは、なにか手持ちぶさたで立っているばかりでこれから夜も更けると賑やかになるのかなと案じながら神社を後にしました。
 来年は良い年になるように良くお参りしてきましたが、どうなることでしょう。 

 辰年ですから昇り龍の手ぬぐいも年賀用にと用意しました。商売には辰年は良いそうで我が家にも辰がひとりいますし犬の名も龍馬なので一人と一匹に期待しましょう。今年ほど天変地異に驚かされた年はありません。
賑わいが気になるので夜になったらまた北野神社に出掛けてみようと思いますが11月にしては暖かい大酉様の夜でした。
 三の酉まで今年はあるので来年に向けて上向きの景気になりますように。でも三の酉のある年は火事にご用心です。なんでそう言われるのかはわかりませんが子供の時からそう聞かされて育ちました。今の若い方は知らないことでしょう。

 帰路に美しい女性が大きなボルゾイを散歩させているのに出会いました。
美しい白い巻き毛にタータンチェックの洒落たマフラーを首にかけて飼い主に寄り添う姿はダンデイな貴公子のようです。もう35年以上も前に同じ犬種を飼っていた事を思い出して懐かしくなりました。背景に酉の市の提灯がずらっと並んでいてボルゾイも粋に見えました。

2011年11月7日月曜日

山茶花の小径


 割と暖かい11月を迎えています。11月と聞くと酉の市だと、すぐに思います。酉の市が終わらないとクリスマスモードにはなりません。そして山茶花が咲く季節でもあります。
 小春日和の穏やかな小径には、このあたりでは山茶花の垣根が多くみられます。やはり「山茶花山茶花咲いた道焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き、、、」と歌われた名所がすぐ近くにあるからなのかしらと考えてしまいますが、古くからの家が多いせいなのかも知れません。
 山茶花には多くは一色のローズ色で一重の花びらが大半ですが中には八重で白、または絞りで赤と白の混じった色の花も時折みられます。晩秋から初冬を彩る花で最も花の少ない季節なので貴重だと思います。
一輪挿しに一枝差しても風情があり、花の少ない季節に重宝致します。私の頭の中にはお酉様、山茶花、と繋がっています。
 今年のお酉様では念入りに熊手を選んで工房のリニューアルに備えなくてはと考えます。工事の終わるのは12月も後半にかかりそうなのでそれまでは何とか暖かい日が続くことをと願っています。

 山でも良いお天気が続くと八ヶ岳、南アルプス。富士山がくっきりと見えてこれからの季節が最も美しく山波の稜線や山の襞までもが見えてきます。
人が訪れなくなって山も賑わいが治まる頃が景色が良くて空気は冷たく深呼吸すると肺の中までもが冷たく清浄な空気で満たされます。
すでにススキも真っ白でその葉も枯れ葉色になり里の家々の庭隅には小菊の株が赤や黄色の濃い色に咲き、柿の木も全部の葉を落とし実だけがまだ木に残っています。

 山でも気温は10度以上ありましたので、今年は全国的に暖かい11月のような気がします。穏やかな日々が多いとありがたいと特に最近は思うようになりました。
先週は小布施の栗羊羹や栗きんとんを食べて濃いお茶を飲み行く秋を満喫しました。
めりはりのある日本の気候は今更ながらよいものだとつくづく感じます。