2013年10月23日水曜日

台風ラッシュでも



 秋のあらた会も後半に入りました。次々と台風がやってきて毎日お天気がかわります。女心と秋の空とは言いますが天気予報が気になって思わず聞き入る日々です。




27日で終了の予定でしたあらた会が会期の後に来たいと言われるお客様が何組かあるので31日まで延期して、展示もそのまま31日までしておくことになりました。
 朝夕冷えて来た割には紅葉が進まないようです。今年は10月前半が暑かったせいらしいです。酷暑の夏も心配でしたが実りの季節には果物のできが良くて葡萄なども今年の秋は見事に大きく甘かったです。
 台風で多くの被害がもたらされて特に大島は大災害となり残念なことになってしまいました。自然の威力を思い知らされましたがが夜半に風雨の中に避難させるることに躊躇したという役所の話など考えさせられました。
 こういう場合の災害対策や危機管理は綿密に あらゆる場合を想定しないとならないことなります。

 そんな不安定な天気の最中ではありますが、工房のギャラリーでは紅葉の楓や色づいた木の葉やどんぐりの作品が秋をつげています。
 会期も少し日延べをしましたので台風の合間にでもお出かけ下さると嬉しいです。

2013年10月19日土曜日

江戸の華 海老蔵を観る



 さる10月17日の夜、市川海老蔵の舞台を観に行きました。古典への誘いと言うことで「保名」と「お祭り」の舞踊を観る事が目的でした。
 美しい美男子ぶり、水もしたたるいい男というのはこのような舞台上の海老蔵さんの事を言うのでしょうか、若さっていいなあ、とつくづく感じました。 特に舞踊「保名」は観てみたかったのです。


 まだ私が小学生の頃でしたか、当時はガラスのケースに入った。フランス人形と日本人形がどちらの家庭にでも飾ってあった事が多かったと記憶しています。デパートの人形売り場に飾ってあった素敵なドレスのフランス人形や美しい衣装を着た日本人形は憧れでした。

 紫色の素敵なドレスのフランス人形を買ってもらったのも嬉しかったのですが舞踊の「保名」の衣装を着けた日本人形にはとても心を惹かれました。
 その衣装を着けた「保名」は さながら先日観た海老蔵さんのようでありました。清元「保名」の衣装は子供心にも珍しく日本髪姿の地唄舞に出て来るような日本人形よりも不思議な色気を感じました。
 そしてこの踊りの内容を母が説明してくれて、どうしてこのようなもの狂いな出で立ちの衣装なのかも教えてくれたのでした。なるほどただならぬ状態の衣装だと言う事は子供心にもわかりましたが、それ故に不思議な色気を感じたのでしょう。
 特に母が教えてくれた病の時は紫の鉢巻きをするのよと教えてくれたことが印象に残っていました。青い月代、紫の鉢巻き、そして衣装のつけ方さえ素敵に思えたのです。
 その後先代の團十郎、海老蔵のお祖父様の「保名」の舞台も少女時代に観た記憶が残っていました。それで今回は海老蔵さんの「保名」も是非観たかったのです。
 「保名」は美男子でなければなりません。それも見所のひとつでしょうか、 先代の團十郎と海老蔵さんは本当によく似ていて驚きます。これからも活躍して江戸の華としてあり続けて欲しいです。

 お土産にはかつての海老蔵さんの舞台での花咲か爺に因んだTシャツがロビーで売られており、可愛かったので犬好きの私としては思わず買ってしまいました。



そして久しぶりに袷の着物を着ました。着物も帯も母のかたみで着物は銘仙で茶と黒の格子模様、帯は紅い蔦に茶古代色の縮緬の帯でした。母を思い出しながら既に70年は経ているだろうと思える着物と帯でしたが全く古くは感じさせない組み合わせと我ながら思いました。
 急に冷え込んで来てもうコートが必要な季節になったと感じながらホールを後にしました。母の30代の頃、子供の私に語ってくれた清元「保名」の話を思い起こし少しだけ母が恋しく物悲しい気分にもなりつつ帰路につきました。