2012年6月25日月曜日

襲名とミュージカルを観る


夏の会が終わり今週は出ずっぱりです。20日は演舞場で猿之助の襲名披露公演を台風一過の日に出掛けました。風はまだ吹いていましたが青空が見えて晴れ晴れとした気分でした。
台座に乗せられた猿翁は少し痛々しい気がしましたが亀治郎の新猿之助と話題になった香川照之の中車襲名、そして息子が團子を襲名という重ね重ねのおめでたい興行です。
口上では小さな團子のはきはきとした口上と色々な想いがあって中車を襲名したであろう香川照之の気持を考えるとこれから大変だろうなと想像しますが、何はともあれ注目すべき興行です。先代の猿之助がついこの間團子を名乗っていた若い頃を思い出して時の流れの速さには驚いてしまうばかりです。新猿之助も芸達者ですし、若いのでこれからますます楽しみとなります。
香川照之はNHKで放映していた「坂の上の雲」のドラマで正岡子規を演じていたのが印象的で演技の上手い役者さんですからこれからも多方面で活躍するのでしょう。新團子は立派な口上振りから観て、きっと素晴らしい歌舞伎役者に育つことでしょう。
  私も何時まで観客としてつきあえるか分かりませんが応援して行きたいものです。7月も行く予定にしていますからこの夏は例年に無く何度か歌舞伎が楽しめそうです。

それから24日にはがらっと趣向を変えてミュージカル「本能寺が燃える」を観ました。
  セルリアンタワーにある能楽堂で舞台を使っての面白い趣向でした。この題材は本当にドラマチックですから舞台にするには格好のドラマでしょう。私たちは総勢14人のお席だったので料亭「金田中」で昼食を取り公演時間になれ、ばさっと障子が開け放たれ、その場所から能舞台が見れるという何とも贅沢な形で舞台を観られる趣向が珍しく、とても良い気持で舞台を楽しめました。
 2回続いた外出も雨にも濡れず着物で行けたのは幸いです。演舞場には柔らか物の藤系の着物に鉄線の花の紫の染め帯で、能楽堂には黒地に格子柄の夏大島に藤色の矢車草の帯で出掛け、梅雨の晴れ間に出掛けたので行く度に着たまま虫干しさせているようです。これで今月はもう単衣はお終いです。
  九月になったらまた着ますがその時はもう塩瀬の帯が出番です。塀沿いのゴーヤの蔓がまたぐーんと伸びてきました。青紫蘇も今年は沢山出来ました。冷や奴に薬味として役に立つので嬉しいです。あとミョウガが出来たらいいと思いますがこれがなかなか出来ないのです。どうも増えません。難しいのでしょうか。
 今年はミョウガにも挑戦しようと考えております。食いしん坊のせいか食することの出来る野菜にも大いに癒されています。

2012年6月18日月曜日

再びの紫陽花そして撫子


昨日で「夏のあらた会」+「今昔の会」が無事終了しました。いらして下さった方々、本当にありがとうございました。今回も色々な出会いがあり嬉しかったです。 会のはじめから飾っていた珍しい紫陽花の鉢も、とうとう花が終わり昨日からはこれもまた珍しい色合いの紫陽花の鉢を手に入れて変えました。
会期は終わりましたがまだ来られなかった方もいらして今週も余韻を残しており、2,3の来客を夏の着物たちが待っています。

 半月以上も出掛けなかった分、今週からは外出予定が怒濤のように押し寄せそうです。
  まず20日の襲名歌舞伎に行くのを始め観劇、音楽会と目白押しです。単衣を着られるのも残り10日余りとなりました。
台風が発生しているらしいですが外出日は梅雨の晴れ間であって欲しいと勝手なお願いをしてしまいます。あまり着るチャンスのない紗の雨ゴートもいよいよ出番かなと、今日は単衣から薄物の着物をすぐ着られるように箪笥の中身を入れ替えたりする日に当てようと思っています。

さあ、本格的な夏が来ると思うと真夏の着物をあれこれ考えるのにも気合いが入ります。暑さには弱い私ですが出来るだけぐったりしないようにするのはお洒落して出掛ける所を作ることと、自分に言い聞かせております。
五月終わりに植えた短い背丈の撫子は花が一通り終わってしまったので今度は丈のある花びらに繊細に切り込みのある白とピンクの撫子に植え替えてみました。か弱げな花びらは涼やかです。 またまたナデシコジャパン頑張れとの思いです。先日植えたゴーヤもぐんぐんと伸びています。いつの間にか青紫蘇が増えてきて友達のようなバジルと共存していますから、食事はパスタにするか、おそうめんにするか少し迷ってしまいます。今度はミニトマトも植えてみようかと、夏の太陽を仰ぎながらしばしの休日の日を楽しんでいます。

2012年6月11日月曜日

夏の着物に想う



 夏の会も中盤になり残り1週間となりました。会期中に東京も梅雨入りとなり、降るかと思えば晴れたりまた朝夕に気温の差もあり定まらない天候に一寸外へ行くにも空を見上げてしまいます。
 それでも会期中に訪れて下さる方々との出会いに楽しい時を度々持てることに喜びを感じています。雨の中、着物でいらして下さる方にはお礼を言いたくなってしまいます。


 夏の着物の素敵さは着た人でなければ分からないでしょう。得も言われぬ贅沢感と満足感を自分自身に感じるものなのです。
 夏の着物の素材感は豊富です。先人が高温多湿である日本の夏をどのように凌いで来たのか、その素材の種類を思えば各地にあっていかに様々な反物の織り方に創意工夫があったかと感心するのです。繊細で複雑な美意識を持っていた昔の人たちには驚くばかりです。

また夏の着物にはモチーフとなる題材もより夏のおしゃれ感を色濃く感じさせます。日本人の持つ美意識があるのです。日本の夏の夏の魅力を着物から感じ取る人が一人でも増えてくれれば良いのにと六月に入ってから毎日思う日々が続いております。

2012年6月4日月曜日

梅雨の来ぬ前に


六月に入り「このところの暑い日が続いたおかげでサクランボが早く出来ました」との電話が入りました。懇意にしている山梨の果樹園からです。
今は工房が会期中で東京を離れられないのでサクランボ狩りには行けず残念ですが送ってもらうことにしました。楽しみです。

これから梅雨が来るのでしょうから色々と用事を早めにかたづけようかしらと考えています。雨は必要だから嫌とは言っていられませんが出来れば寝ている間だけ降ってくれればいいなと勝手なことを思ってしまいます。
今年こそ素敵な長靴を買おうかなと考えています。最近はなかなかお洒落な長靴があるようなので求めれば雨の日も気にならなく活動的になるのではと買う機会を狙っています。

先日、妹の所から紫陽花をいっぱい切ってもらって来ました。本当に紫陽花の種類の多いことには驚きです。
 最近求めた紫陽花は白くて花びら の縁だけなんともクラシカルな紫色をしていてその紫の色に惹かれて鉢を求めました。
6、7、8月の夏の前 半を彩るのはやはり紫陽花でしょう。真っ白な紫陽花ももらって来ましたが白も捨てがたく、白磁のような白い一輪挿しに挿すと清楚でなかなかいいと一人満足 しています。今週は紫陽花と楽しむ週になりそうです。と言うのも水揚げが難しいので否が応でも朝夕に切り花にした紫陽花は切りもどしたりして、手入れをし なくてはなりません。
今まで見たことのない色合いで不思議と和風な雰囲気がして新種だそうですがこの鉢もいつか山のアトリエに移植しようと思っています。

現在、山のアトリエの北側に紫陽花の木を20株ほど植えてあるのですが誠に成長が遅くて元気なのですがなかなか花も咲いてくれません。園芸種が多いので山には向かないのかなと思いますが、山紫陽花は咲いているのにその違いはよく分かりませんので早く大きな株になって力が付き綺麗な花をひたすら待つしかありません。
花と見えるのは萼と言われるところとは重々わかってはいますがどうしても花にしか思えませんのでこれからも紫陽花の花と言い続けてしまうことでしょう。
合間にサクランボでも摘みながら梅雨のまだ来ない内に六月の初旬を味わいましょうか。