2015年4月28日火曜日

暮春に集う「瑠璃の会」


 4月も残り少なくなった25日、5ヶ月ぶりに着物で遊ぶ「瑠璃の会」が開催されました。
 お天気も落ち着いて春の終わりを告げる花々に迎えられ目白日立クラブで62名が集いました。

 昭和初期の面影を残すレトロな洋館で暮れゆく夕方の光が窓から差し込む中、まず、穏やかなクラリネットと、ピアノ、歌が流れて静かに宴が始まってゆきました。



 クラリネットの調べに乗せてソプラノというのは珍しいそうですがシューベルトの「岩上の羊飼い」の歌から始まり歌劇「清教徒」続いてショパンの「英雄ポロネーズ」と静かに厳粛に満ちた演奏が古い洋館に響き渡りました。

 第一部の演奏の後はお食事がスタートして待ちかねたように皆様の楽しいお喋りが弾けて和気藹々、久しぶりの再会に、またお洒落談義などなど、お食事も進むうち、デザートタイムとなりました。
 第二部となれば、ぐっとくだけた曲が次々と演奏されて歌、クラリネット、素敵なピアノも奏でられる中、最後にはテノールのハプニングまであり、素敵な時間はあっという間に過ぎて行きました。



 「瑠璃の会」は、毎回場所選びに心血を注ぐのですが、回を重ねるたびに会場と内容のハードルが高くなり、どうしたら皆様に喜んで頂けるかと考えていますが、参加して下さる方々の協力があってこそ成り立っていますので、事務局は素人ながらも昭和50年代から続いてきた瑠璃の会を、何とか力のある限り頑張っていこうといつも開催するたびに思いを新たにしています。

そして、そして何よりも私が嬉しく思うのはかつての工房の作品が見られることです。
50年あまりも着物を創り続けているので、長いおつきあいの方たちが「瑠璃の会」の度に昔に創った着物や帯を身に着けて出席して下さる事です。 再会したとたんに当時の制作した時の気持ちがすぐに思い出されて、まるでお嫁に行った娘に久しぶりに逢えた気分です。


着物を楽しみ、愛する方々が着物を着ましょう。というコンセプトの元だけにこれだけの方々が集まるのは他にはそうないのではと思っています。
 
次回また、機が熟したときに皆様にお誘いをかけようと思います。
 このような作り手と着手の場を作り出す時間と出会いを大切に考えて、昔の着物がタンスの中にひっそりとしまわれて泣いていることがないように大いにきものでお出かけの場を増やして下さい。

 おおげさかもしれませんが着物には日本人の精神が宿っているのですから、、、着物、音楽、美味しいお食事、楽しいお仲間と欲張りな一夜でした。着物バンザーイです。