2014年12月31日水曜日

イタリアの門松

 今年も暮れようとしています。本年最後のブログとなります。
お正月の支度をやっと30日にしました。門松は松を2本立てますが我が家の松は少しよその家のとは違います。
松葉が長くて四方八方に広がっています。勝手に暴れ松と命名しています。

 松を立てながらいろいろなことを思い出しました。そう、この松は今から20年も前に娘が留学中のイタリアで拾ったそれはそれは大きな松ぼっくりを帰国した時に持ち帰ったものなのです。両の手に余るほどの松ぼっくりは見たこともありませんから、お土産にと差し出された時にびっくりしたものです。

松ぼっくりにも色々とあって日本のは大きさは大体似たりよったりで形が少し丸っぽかったり尖っていたりするくらいですが娘がお土産にくれた松ぼっくりの立派なこと。

 植物好きの私の妹に見せたところ、かさとかさの間にある種を見つけてこれ植えたら育つのではないかとの提案があり、まさかと思っていました。
 何年か経ち妹は芽が出るまで育てて地方にある自分の山の敷地に植えたところ、見事に大きくなり20年も経った今は大きな木になっているのだそうです。

ここ何年か前から切り出して門松になるほど成長したのを届けてくれます。
 イタリアで拾った松ぼっくりが今や我が家の門松に役に立っていると思うと感慨深く思えます。花屋さんで売っている門松とは趣がだいぶ違うのです。

長い松葉は大きくて思う存分に伸びています。なぜか外国の松だなと思わせるのです。
 この松を我々は暴れ松と呼んでいます。生花に使われる大王松とも違います。

 異国の地で育ちお正月の門松になったこの松は20年も経っているのですから当然娘も20年も年を重ねて今は一女の母です。
 ずっとずっとお正月にこの門松を立てるたびに思い出し長くて短いと思える年月を思い起こし考えるのです。

 我が家は31日は恒例のお墓まいりに行くのが習わしですが娘をこよなく可愛がってくれた私の母の墓前にも、このイタリアからやってきた松の小枝を飾り色々と報告をしてこの年の大晦日が皆、つつがなく終わろうとしていことを告げてまいりました。
そういえば「イタリアの松」という曲がありましたがそれはこの松のことだったのかと聴くたびに思います。
 サヨウナラ平成26年、家族はもとより私の知り合い、お友達みんなみんなが良い年を迎えられますように心から願っています。

2014年12月5日金曜日

着物を讃える「ロンジン・エレガンス賞」



 今週日曜日、JRAジャパンカップ(正式名称ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第34回ジャパンカップ)が開催されました。
 ジャパンカップは10万人の来場者を迎える国際G1レースで、今年度よりロンジンが公式時計として初めてジャパンカップをサポートしました。
 それを祝って、ロンジンのエレガンスアンバサダーであるリン・チーリンさんを迎え、着物を讃える「ロンジン エレガンス賞」が開催されました。
 
 そのコンテストでジャーナリストの上原未來さんが着物のベストドレッサー賞である「ロンジン・エレガンス賞」を見事受賞しました。おめでとうございます!
 未來さんと共に、あらた工房の着物が国際的な賞を獲得出来た事に工房スタッフ一同、興奮いたしました。


(未來さんは英語はもちろん、フランス語、イタリア語が堪能な国際的ジャーナリストです。miki tvを中心にファッション、カルチャーの分野にてビデオジャーナリスト/ライターとして活躍されています。)

 早速、今週よりロンジンの公式サイトはじめ海外メディアでも色々紹介されており、嬉しく思いますが、この賞は着物、コーディネート、着付け、ヘアメイク、そして何より着手である未來さん、チームワークによる勝利なのでした!
 受賞出来る自信は持っていましたが、まさか本当に実現させてしまうとは。。。

 実は大会前よりこの賞を勝つ為にはどうしたら良いか入念な準備がされておりました。

 まず、格調が高く、品よく、そしてコンテストである以上、着物が華やかで目立つこと。しかも外国人の方に分かりやすくなくてはなりません。

これらの点を考慮して、エレガンスを演出するにはどうすれば良いか、未來さん本人、あらた工房、ヘアメイクの三者で、作戦会議が行われました。
 あらた工房は、着物、コーディネート、着付けを担当しました。


 まず『振り袖』は、 未婚女性が着用する最も格式の高い礼装です。
 朱色に、蝋纈や糸目の蝶、友禅や手刺繍で施された様々な蝶が飛び交う大振袖を選びました。いつも元気いっぱいな未來さんのキャラクターにこの着物がバッチリはまったと思います。

 この色気を着こなすのは、着手にも相応の力強さがないと着負けてしまいますが、そこはさすがジャーナリスト。
 肝がすわっていらっしゃいました。着物には不慣れとの話でしたが、当日は振る舞いから所作まで見事に着こなしておりました。
 

帯は綴れで緑と金の唐草文様を使用。色調は対抗色であるオレンジと緑を基調にしてまとめました。



  そして、今回、ヘアメイクを担当されたのは東京ボーテの古味絵理奈さんです。
 もう10年来、お付き合いさせて頂いてるヘアメイクさんで、和洋のスタイルから着付けまでも行えるという美のエキスパート。

  すっきりとしたアップスタイルでも、毛先を出すスタイルには髪が長すぎるので、毛先をしまい込みアシンメトリーにスッキリまとめつつ、華やかさを意識してボリュームのあるヘアスタイルに。
 メイクは濃すぎず、でもキリッとお上品に!朱色とグリーンを基調としていた着物だったため、リップはオレンジ、アイシャドウには薄くグリーンを使用。
 そして着物と同色の珊瑚色の髪飾りを使用。

 受賞直後の喜びを、未來さんはこのまま蝶になって飛んで行ってしまいたい!とおっしゃってました。着手が輝く瞬間を見られる事は作り手にとって最高の喜びです。

 ヨーロッパでは競馬がただ賭事のためだけではなく、大切な社交の場であることが伺えます。アスコット競馬場で帽子を着飾る貴婦人達のように、着物で賑わう社交場になってくれたら嬉しいです。


上原未來さんのサイト miki tv→http://miki.tv/
古味絵理奈さんのサイト 東京ボーテ→http://ameblo.jp/tokyo-beaute/
ロンジンの公式サイト→http://www.longines.jp/


2014年12月2日火曜日

表参道で瑠璃の会



 11月30日、着物で遊ぶ「瑠璃の会」が表参道のフレンチレストランbambooにて開催されました。
77名もの参加者が集い、初冬の午後のひと時を楽しく過ごしました。今回の企画のテーマは「映画音楽と過ごす極上のひととき」でした。



映画音楽を映像を背景に、歌、ピアノ、バイオリン映像を懐かしの映画から最近の映画まで楽しみました。


数々の曲が演奏される中、それぞれの映画の思い出に浸りながらも、素敵な時間を共に共有して和気あいあいとお話が弾み、また各テーブルでは着物談義にも花が咲き、いつもながらの楽しい交流が見られました。


今年はお正月にも「瑠璃の会」の新年会で集まりましたが、色々な事があった1年もあっという間に過ぎて間もなくこの年にも別れを告げる月となってしまいました。



自然災害や事件にも心傷める日もありましたがこうして元気なお顔ぶれが揃うとまた来年も頑張らなくてはと思います。まだ年内にしなくてはならない制作も残っているのでもうひとふんばりしなくてはという12月が始まりました。

明日からは寒くなるそうです。インフルエンザにもかからないように皆様そろってこの年を越えて行きたいと思います。