2011年12月21日水曜日

サンタさんはどこに


 いよいよクリスマスが近くなって街のイルミネーションもピカピカ光りお店もクリスマスセールで賑わっています。
子供の時に感じたワクワクどきどきのクリスマスプレゼントは今はもう遠い思い出の中です。
3人兄弟の長女であった私の記憶ではこの頃になると忙しかったあの時代に父母がなんとか時間を作って子供たちにクリスマスプレゼントを買いに走り、狭い家の中でどこかに隠してイブの夜は子供たちの枕元に寝入るのを待ってそっとプレゼントを置いたのでした。

 私はうすうすサンタクロースは父母だろうと分かっていましたから一生懸命に目を凝らしてその夜は両親の動向を観察していたのですがついに眠気には勝てず寝てしまい朝になると他の兄弟より早く目覚めて皆を起こして大騒ぎでプレゼントの箱を開けるのでした。

 当時両親は30代だったと思いますが昭和30年前後で寝る間もなく働いていたように思います。父はいつも徹夜で暮れの仕事をこなして赤い目をしていて母は暮れのお掃除を始めてそれは忙しく立ち働いていた気がします。
けっして裕福だったわけではないけれど、私たち兄弟は両親の愛にすっぽりとくるまれて幸せな子供時代だったのです。クリスマスイブにサンタさんになってプレゼントを置いた父母は今頃どこに行ったのだろうと、ふと思うときがあります。

 自分も親になって両親と同じようなことを子供たちにしましたが、子供の時に感じたわくわく感は立場が違えばすでになくて、二度と戻らぬ子供時代を恋しく思いました。
しかし子供たちもいい大人なってしまうと今さら純粋でささやかななクリスマスプレゼントを上げる機会も失われてサンタを信じるわけもないですからつまらないものです。

 今は街のイルミネーションは昔よりずっと洗練されていて美しいのですが昭和30年前後のあの泥臭いクリスマスの喧噪は全くありません。
昨日新宿の街を歩きながらしきりと子供時代のクリスマスを思い出し、私のサンタさんは今頃どこにいるのだろうかと夜空を見上げたのでした。ささやかでもあれほど胸がときめいたプレゼントって子供だったからそう感じたのか、とするともう二度とわくわくしながらプレゼントの箱を開けることはないのだろうなーと思い大人になるってつまらないことなのだと考えました。