2013年8月22日木曜日

晩夏に咲く白い木槿


 8月も残り10日余りしかありませんが八ヶ岳での気温は低いせいか街中より2ヶ月ほど遅れてアトリエの玄関の北側に白い木槿の花が次々と日を追う毎に咲き始めて、行く夏を惜しむように咲いています。

もうこの木も植えてから20年ぐらいは経っていますから背も高くなり、いつも夏の終わり近くになるとやっと花を見せてくれるのです。花の中心の所は臙脂色というか牡丹色で白い花弁を引き締めています。
 白い花が好きな私が希望して庭には白のライラック、と山法師の木、そして白い花が咲く木槿を植栽してもらいましたが自生しているノリウツギも白く、コアジサイも白く地面いっぱいに咲くクローバーもマーガレットもチゴユリも白い花ばかりです。

 昨年は村のお蕎麦屋さんの庭からもらった10株ほどのハンゲショウも一株だけ今年は白い花を付けました。白い花ばかりに惹かれるのはなぜだろうかと考えて見るに絹布の白生地とつながるのかと思いました。
 まだ制作前の何色にも染まっていない白生地を目の前にした時の少しだけ厳粛なそれでいてワクワクするような気持ち、染めたいイメージを瞼に浮かべて白い生地を見つめる自分と、白い花たちを眺める気持はよく似ていると気が付きました。

 白い花の持つ清新な雰囲気も好きなのだと思います。近頃は日陰に群れるドクダミの花の白さにさえも惹かれます。染める前の真っ白な絹布は私に取っては絵を描く前のキャンパスを張り終えた時の感じとも似ています。
 白という色は無垢であり、それは画用紙でも同じです。白に対峙したときの気持の在り方、何か見えない物を自分に引き寄せるパワーを何時までも持ち続ける思いがある限り心身ともに元気がある証拠なのだと思うようにしています。これからも白い花たちに助けられることでしょう。