2012年9月9日日曜日

尾花なびいて


 先週末から山のアトリエ行きです。村の田んぼはすっかり黄色く色づいてもうあと少しで稲刈りが始まりそうです。コスモスも背を高くして風に揺らいでいます。夕方には戸を締めないと肌寒くていられません。
 風が吹く度に大きくなびく尾花も銀色から白く代わり、その丈も私位に大きくなって小道を塞ぐように覆い被さり道幅を余計狭くしています。


 昨年植えた花が名前を忘れましたが宿根草だったらしくこの秋も再び咲いて可愛らしいローズ色の花を咲かせてくれました。
 何という名だったのかどうしても思い出せず何かに書き留めておくべきだったと悔やまれます。
 このように忘れたころにぽっと咲くのはとてもうれしい事です。
 夏に咲く槿の花も今頃になって山では咲いています。槿は色々な色があって白い花弁に中心が牡丹色のは日本の日の丸に似ていると何時も思います。
 気候の変化のせいか毎年同じ花が同じ場所に咲くとは限りません。自然の不思議をいつも感じます。
 すでに20年以上もこの山のアトリエに通っていても景色は何時も違います。その微妙な変化を感じ取る気持が衰えないようにと自分自身にも言い聞かせます。

 これといった師匠を持たぬまま何十年も試行錯誤して仕事をして来た私にとっては自然界の移ろいは偉大なる師匠であります。最近めっきり少なくなったアキアカネがコスモスに留まっていました。絵に描いたような日本の秋の景色です。まだ小さな蜻蛉でしたが秋空いっぱいに飛び交うのをみたいです。
 空が日毎に高くなって行き白い雲はこれ以上ないくらいに真っ白に美しく映えています。東京に戻ると町は秋祭りの最後の日です。今夜は家族と縁日にでも行き小さな子たちの金魚すくいでも眺めに行きましょうか。
 秋祭りが終わればいよいよ今年の夏ともさようならになるでしょう。神社の側の家に咲く大きな白い夕顔はこの秋祭りには大きく沢山咲いてお祭りの夜に色を添えて盛り上げますが今年も同じように咲いているでしょうか。楽しみです。