2012年8月23日木曜日

江戸ゆかりの家の芸



 長かったお盆休みを終えてもまだまだ酷暑が続く中、国立劇場へ板東三津五郎さんの「江戸ゆかりの家の芸」を観に行きました。
 さすがに板東流の家元の会となれば。お名取さんも大勢でいかにも先生と見受けられる方々はほとんどが着物姿で圧倒的に紗が多かったです。そして年配の方ばかりでした。

 舞台は踊りがほとんどではなやかでしたが中でも「喜撰」は楽しい舞台で思わず一緒に踊りたくなる演目です。完売の一日だけの公演で誠に盛況でした。
 35度ほどもあろうかと思われるこんな日なのにかなりのご高齢の方が何人か杖を持ち腰もかがめて、それでもきちんと着物をお召しになっていられたのには頭が下がりました。
 残暑が最も厳しい日々があとどのくらいあるのでしょう。家の近所の旧家のある敷地の広大な庭では蝉時雨が昼間は絶え間無く聞こえて参ります。いったいどれほどの数の蝉が鳴いているのでしょう。
 私の耳にはもう夏も終わりだ終わりだと鳴いているように聞こえてきました。道には青い柿がころんとどこからか落ちていました。
 青い柿と蝉時雨は晩夏の景色そのものです。江戸歌舞伎に継承されている歌舞伎舞踊を大いに味わった日でした。