2012年2月8日水曜日

2月の雨は春の予感


 この2,3日空が少しぐずつき気味で雨が時々降っています。
雪にはならず、ほっとしているが季節は節分を過ぎて春に確実に向かっている気がします。
雨もさほど冷たくないので、一雨毎に春めいて来るのでしょうか。今まで余りにも乾燥がひどかったのでこれで大地も木や草も湿り気を含んで着々と春の準備をするのでしょう。
まだ黒い桜の幹は春の雨を吸い上げながらきっと開花に向けていると思うと嬉しくなります。
今年のお花見はどうしようかなと最近は考えるようになりました。

 今回の改装でキッチンの屋根を四角く開けて天窓を作ったら隣の桜の細い枝が見えていました。
桜が咲いて、散ったら天井を見上げてお花見がキッチンにいながらにして出来るかしらとワクワクしてきました。同様にピアノ室の天窓も枝が見えているのでこれは楽しいなと10日の竣工を控えて心が久しぶりに晴れやかになりました。
今日を皮切りに今年も私の桜観察日記が始まりそうです。

 昨夜は久しぶりのコンサートでした。耳に馴染んだ歌や始めて聴く歌などもあって、しばしの間は雑多な日常を忘れさせてくれました。
どの歌も素敵でしたが少々疲れ気味の私にはオペレッタの曲がすんなりと体に入ってきました。
 レハールの作った「メリーウィドウ」のおなじみの曲、「微笑みの国から」のアリア、君こそ我が心の全てなど甘くて心をときめかせる好きな歌が思いがけずに聴けてうれしく思ったのです。どうしてウイーンの歌はこんなに綺麗な旋律なのでしょう。
ちっとも難しくなく、聴けばなぜか懐かしささえ覚えて来ていつも不思議だと思うのです。
この懐かしさは何なのでしょう。解明できないのですが心地よい旋律の法則があるのでしょうか。感じるのは私だけではないのかもしれません。
もっと不思議なのは必ずウィーン歌曲を聴くと両親を想い出すのです。というより子供時代の自分が見えて来る事です。
 強いて理由があるとするなら私が物心ついて始めて買ってもらったレコードがウィンナーワルツばかりが満載のレコードだったからかもと思います。
どれほどそのレコードを聴いたかわかりません。きっとすり切れるほど聴いたにちがいありません。今はそのレコードのジャケットが残されていて山荘のアトリエに額縁に入って飾られています。私の少女時代の宝物で半世紀以上も経っているのに今でも大事にしています。

そんなウィーンのワルツにどっぷりと浸かった子供時代があったからかも知れません。

雨上がりの夜でしたがそれほど寒くなくて、甘い音楽を聴いた後はもうすぐ訪れる春の予感を感じたのでした。