2011年4月11日月曜日

静かにお花見


10日はお花見日和でした。時折、はらはらと花びらが舞い散
る中で、三々五々と私の呼びかけに応じていらして下さった方々と、昼から夕刻まで静かにお花見をして過ごしました。
 穏やかな春のひと時、先日の地震の時は何処で遭われたのか、その時はどうであったか等と、各人がそれぞれの体験を述べたりと、話題はやはり地震のことばかりでした。
 日常の生活の中での突然起きた地震、原発のこと等、話はつきませんでした。早く日常に戻らないと、復興も経済生活も進まないという意見も多く、我々は今、自分に出来ることを一生懸命にするしかないとも思ったのです。お花見の会費はささやかでも義援金に充てることぐらいしか出来ませんが、復興のお祈りを込めて日本赤十字社に持って行くことにしました。


 地震以来久しぶりに着物を着て、少し心も落ち着きました。お花見には、二人ほど着物を着て見えたので嬉しく思いました。
この日は、工房の展示室の出窓の下にある小さな庭が、植木屋
んの手に依ってやっと完成したのも兼ねて、ささやかなお祝いの日にもなりました。公園の桜の開花と同じく、この庭に植えた源平咲き分け枝垂れ桃が次々と咲き始め可愛らしくて、桜と桃と同時に楽しめることになりました。
 この場所に長いこと住んでいた愛犬のモモちゃんの供養にもなりました。人は思い出の中に半分は生かされて暮らしているのだとつくづく感じた日でもありました。

 私の思う春も、今はクライマックスでしょうか。今日からは、満開だった桜が散ってゆくその木の下で,じっくりと今年の春の過ぎ行く様を静かに眺めて過ごします。足下の地に這うような蒲公英を見つけました。
 その花の色も、元気が出そうな澄んだ黄色をしています。椿もたぽたと足もに散、はこべの緑色に映えています。ユキヤナギの白、紫色のモクレンの莟、今にも咲きそうな躑躅のピンクの莟、青い忘れな草等,ぐるりと周りを振り返るだけで春が見近で満ち満ちていて、まさしく春爛漫とはこういうことを言うのでしょうか。季節のもたらす幸せに感謝しています。