2017年6月21日水曜日

6月のよそ行きの着物への提案



 6月も下旬になり本格的な梅雨です。今時はどんな着物を着るのかとよく聞かれますが、基本的には単衣とお答えしますが、それは着物を着る人なら分かりきったことなので、いわゆる単衣仕立てで裏地がつかない着物ということだけではなくて、どんな着物地がお薦めかという話をします。今回は浴衣地や木綿の着物については話を省き6月のよそ行きでドレッシーな絹物に絞り述べてみます。

6月は近年は昔より着る機会が増えたように思えます。この時期の結婚式は今の方が多いし、様々な集まりも増えているようです。
女性の交際の場も広がるにつれて着物で出かける機会もありますし季節に合わせた着物を大いに楽しんでもらいたいと思います。6月の装いとして最も優雅な素材は絽縮緬と思われます。
ふつうの絽の生地は盛夏までも通して着る事が出来ますので、とても暑い日の六月であれば中旬を過ぎれば着てももちろん良いのですが、絽縮緬の良さも是非再認識して下さい。
 絽の目が在りながらも、地は細かいしぼのある縮緬風ですからとてもとろっとした風合いの生地で女らしいエレガントな素材です。

 真夏が来る前に是非手を通して頂きたい生地です。最も6月に相応しい素材と思っています。最近は中々見られないのですが、紗などのような張り感では無く身体に沿うような着心地です。
 よそ行きの小紋や訪問着に染められるといいでしょう。6月にどんな素敵なお呼ばれがあっても大丈夫。6月のよそ行きをお考えの方にお勧めします。
 帯は紗袋か絽綴れで小物は夏の素材で涼しげに水無月美人になれること間違い有りません。6月は裏が無い単衣なら何でもいいというわけではありません。
 同じ単衣を着ていい6月と9月では全く体感も空気感も違います。6月ならではの美意識を感じ取って欲しいと絽縮緬をおすすめしてみました。