2015年12月4日金曜日
冬晴れの師走に
12月に入り恒例の「樅の会」始まりました。初旬の10日間開きますが、工房では今年ラストの会期となります。
銀杏の葉がすっかり落ちて紅葉も終盤です。今年は紅葉が遅れたせいで近所の大きな古い家の紅葉と欅の紅葉が夕日に美しいです。
割と暖かな初冬の気温なので助かりますが中旬になれば街はクリスマスのネオンに彩られて華やかになることでしょう。
毎年、この時期に開催される「樅の会」は副題で「冬を楽しく」との考えで作品をそろえています。
お正月に向けて新春の華やかさも含めて年末からの行事にも楽しめる着物や帯を染めています。
慌ただしい季節ではありますが、また人と人との交流が多い頃でもあります。この時期のシーンに溶け込むような帯や着物はむしろ「冬を遊んでしまおう」という気持ちで作品創りをしています。他のシーズンとは少し違ったうきうき感も帯や着物に盛り込みたいと思っています。
そして今年はこれらの作品に加えて工房でかつて創ったことのある手描き小紋のサンプルのコレクションを一同にご覧に入れようと用意をしております。
あらた工房が過去創り上げた着物は数知れませんが、特に手間と時間をかけた記録のサンプルを多く残していますので,この機会にぜひお見せできればと展示しています。
50年あまりの間にこれほどの数の染めをしたというサンプルを見れば私自身も気が遠くなるのですが、これから先の50年はもうないのですから貴重な記録となります。
どうぞ「樅の会」にお越し頂いてこの半世紀の間に染められた見本をご覧下さい。初公開です。